目次
■序文
昨夜の米株市場は、ダウ平均が+172.85ドル高の46,315.27、S&P500も+32.40の6,664.36と揃って最高値を更新した。背景にはFRBの利下げ継続期待があり、米金利10年物は4.139%へとやや上昇したものの、市場のリスク選好姿勢を大きく削ぐには至らなかった。ドルインデックスは97.76で+0.12の小幅高、ドル自体は依然として底堅い。
一方で日本市場では日経平均が45,632.40(前日比+586.59)、CME日経先物は45,310と下げて寄り付いたが、米株高の追い風で現物は強い戻りを演じている。総じて株高・金利上昇・ドル高という組み合わせが、為替相場においては「スイスフラン/円上方向」の地合いを保ちつつも、過熱感から上値警戒も生じやすい局面といえる。
本日の相場材料は、米国で注目度の高い経済指標の発表がない点に特徴がある。代わりに、FRB高官の発言が多数予定されており、ミランFRB理事はFOMCで0.5%利下げを主張するなど、今後の金利パスを巡る議論に市場が敏感に反応する可能性が高い。日本国内では自民党総裁選告示が予定され、政治面の動きも円相場に微妙な影響を与える可能性がある。
週明け月曜日の為替市場は、先週末終値と同水準でスタートし、東京序盤は148円台前半を推移。株高と金利動向がドルを支える一方で、円買い要因は政治リスクや連休前の需給に求められる。本日のスイスフラン/円は、テクニカル面で200EMAを明確に上回る強気基調が確認されているが、上値は186.50~187.00近辺での壁を意識すべきだ。短期的には押し目を拾う買い戦略が優勢とみられるものの、FRB発言の内容次第で上下に振れやすく、終盤にかけてはイベントリスクに備える必要がある。
以上を踏まえ、今週初日の流れは「株高・ドル高」に支えられつつも、過熱感を背景にレンジ調整が入りやすい展開となると予想される。
■テクニカル分析
#200EMA
1. 日足・4時間足・1時間足の200EMA
- 日足200EMA:177.895(終値186.034)
- 4時間足200EMA:185.127(直近終値186.032)
- 1時間足200EMA:185.726(直近終値186.032)
いずれも現値が200EMA上に位置。長期・中期・短期すべてで上方優位。
2. 本日の日足想定(9/22 現在値 186.03)
本日始値185.791に対し現値が上回っているため「陽線」想定。
3. 各種分析(提案を多めに)
- トレンド判定:全タイムフレームで価格>200EMAのため、上昇優位の押し目買い戦略が機能しやすい。
- 1H/4Hの押し目ゾーン:1Hの200EMA=185.726、4Hの200EMA=185.127。浅い押しは185.70前後、深い押しは185.15前後での反発監視。
- ブレイク戦略:直近週高187.042更新でモメンタム増加を狙う上抜け買い。利食いは187.20/187.50の節目候補。
- レンジ逆張り(短期):本日の想定レンジ下限~中立帯(185.60-185.80)での反発買い、上限(186.45-186.50)での利食い・軽い戻り売り。
- リスク管理:1H200EMA割れ(≒185.70割れ)で短期強気をいったん撤収、4H200EMA割れ(≒185.13割れ)で上目線を保留。
4. 直近1週間のトレンド
「レンジ」。終値ベースの変化は小さく、186円台でのもみ合い傾向。
5. 前々日・前日の日足
- 前々日(9/18) O:186.176 H:187.042 L:185.935 C:186.672
- 前日(9/19) O:186.387 H:186.805 L:185.752 C:185.854
6. 直近1週間の高値・安値
- 高値:187.042
- 安値:185.132
7. 本日のターゲット値・想定値動き幅
直近7本のATR(D)から、1日の平均変動は約0.889。現値186.03基準の想定レンジは【185.59 – 186.47】。
- 上方向ターゲット:186.47(到達後は187.04トライの余地)
- 下方向ターゲット:185.59(割れで185.40/185.15を順次意識)
解説:
長期では日足200EMA(177.895)を大きく上回り、構造的な上昇トレンドが継続している。中期でも4H200EMA(185.127)を明確に上回り、押し目は基本的に買い場となりやすい。一方、直近1週間は186円台での持ち合いが続き、方向感は限定的。したがって本日戦術は「基本強気、レンジ内での押し目買い優先」。具体的には、1H200EMA付近(185.70前後)への浅い押しで分割エントリー、185.60割れで一部ロスカット、185.15近辺(4H200EMA)で最後の買い直しを検討する階段式が有効。上方向はまず186.47到達で半利食い、続伸時は187.04の週高更新を狙う。ブレイク待ち戦略では186.50上抜けで勢いに乗るが、ダマシ回避のため5分~15分足での上抜け後の押し戻り確認(高値越え→押し→高値/ネック再突破)を条件にする。下振れリスクは185.59割れから拡大しやすいので、同水準の攻防で防戦買いではなく撤退を選び、185.40→185.15の順で拾い直す柔軟性を保つことが肝要。
■主要経済指標と注目材料
・10:00 豪)ブロックRBA総裁の発言:内容次第で豪ドル主導のクロス円に波及しやすい。
・21:30 英)ピルMPC理事の発言:金融政策見通しへのコメントはポンドに直結。
・22:45 米)ウィリアムズNY連銀総裁の発言:FOMC票決権あり、タカ派かハト派かでドルが敏感に反応。
・23:00 米)ムサレム セントルイス連銀総裁の発言:同じく票決権あり、内容次第で米金利に影響。
・25:00 米)ミランFRB理事の発言:0.5%利下げを主張する立場、発言が再びドル売り材料となり得る。
・27:00 英)ベイリーBOE総裁の発言:ポンド円のボラティリティ要因。
その他、自民党総裁選告示による日本政治リスク、23日の日本休場を控えた需給調整も見逃せない。
総じて、本日の最大テーマは「米高官発言に伴うドルの方向感」であり、テクニカル上はスイスフラン/円上昇余地が残るものの、イベント前後の急変動に備えた柔軟な対応が肝要となる。
■時間帯別シナリオ
東京時間(6:00 – 15:00)
東京市場序盤のスイスフラン/円は148.10前後でスタートし、株高と金利上昇がフラン買い/円売りを下支えした。日経平均は+586円の45,600台まで上昇し、リスク選好姿勢が鮮明。国内指標は特段大きなものはなく、材料面での円買い要因は限定的。ただし23日が祝日であるため、海外勢による建玉調整や実需フローの前倒しが相場を揺さぶる可能性がある。テクニカル的には1時間足200EMA(185.72円)、4時間足200EMA(185.13円)が押し目サポートとして強固に意識され、浅い押し目は買い場とみられる。東京時間の想定レンジは【185.80 – 186.40】。前場にかけては186円前後の攻防、後場は欧州勢参入前に上値試しが続く公算が高い。
欧州時間(15:00 – 21:00)
欧州市場では、英国ピルMPC理事の発言がポンド相場を通じて円クロスに波及する見込み。さらに独・ユーロ圏の政治要因が加わり、ユーロドルの動向が間接的に作用する。ユーロドルが1.1740を明確に下抜ければ、ドルインデックスが98台に接近しドル高が強まる展開も視野に入る。株式市場では欧州株が堅調に推移する見込みで、リスクオン継続ならスイスフラン/円は186.50突破を試す流れになりやすい。ただし、米国高官発言を控えてポジション調整の売りが入りやすく、夕刻には一時的に186円割れまで押す局面もあり得る。欧州時間レンジは【185.70 – 186.70】、方向性はやや上目線。
NY時間(21:00 – 30:00)
NY時間は本日の最大のヤマ場。22:45にウィリアムズNY連銀総裁、23:00にムサレム総裁、25:00にはミランFRB理事の発言が相次ぐ。ミラン理事は0.5%利下げを強硬に主張しており、タカ派色が弱まればドル売りの急反応が起きる危険がある。米金利10年債利回りは4.139%まで戻しているが、発言内容次第で上下に激しく揺さぶられるだろう。株式市場が再び最高値を更新するならスイスフラン/円は187円台トライが現実味を帯びるが、逆に利下げ観測が強まり株が売られれば円高方向に揺れるリスクも無視できない。NY時間レンジは【185.40 – 187.20】と幅広く、ボラティリティの急拡大に備える必要がある。
■本日の値動き予測レンジとまとめ
レンジ想定:185.40円~187.20円
現在 186.03円
08:00 185.95円
12:00 186.20円
16:00 186.45円
20:00 186.30円
24:00 186.80円
30:00 186.20円
まとめ
スイスフラン/円は全タイムフレームで200EMAを上回り、基調は強気。東京時間は株高を背景に安定上昇、欧州はイベント前の調整を挟みつつも上値試し、NY時間はFRB高官発言で乱高下必至となる。基本戦略は「押し目買い」、ただしNY時間は急落リスクも織り込み、短期トレードは利確を優先するのが無難である。
■軍師たちの一言
諸葛亮孔明:
「大局を観よ。日足・4H・1Hすべて200EMAを上回り、三位一致の上昇が続く。よって本日の戦略は押し目買い一択である。特に185.70前後(1H200EMA)、185.15(4H200EMA)こそ布陣の要。東京時間は安定的に買い優勢、欧州で調整が入ろうとも、NYでFRB高官の発言が弱ければむしろ円高ではなく再度の買いに振れる可能性が強い。焦らず、順張りを守り、187円突破を狙うのだ。」
司馬懿仲達:
「待て、あわてるな。これは孔明の罠だ。確かに三位一致の上昇は揺るぎない。だがNY時間にはミラン理事が0.5%利下げを主張する。市場がこれに過剰反応すれば、スイスフラン/円は186円を割り込み185.50へ急落しかねん。利下げ観測が火を吹けば、株価高も一転して下振れ要因となろう。上目線に偏れば、罠に落ちる。退路を確保し、ストップを怠るな。」
龐統士元:
「株式市場の上値警戒感は強く、FANGやAI関連への過熱感は逆風を招く。日経は高値圏だが、CME先物は下げて始まり、需給は不安定。さらに明日は日本市場が休場、需給調整が円買いに傾く可能性もある。従って本日の戦略は、東京・欧州は押し目買い、NYは乱高下を警戒してポジションを軽く保つべき。FRB発言で方向感が出るまでは、無理な勝負は避けるが吉。」
郭嘉奉孝:
「私は冷静に観る。日足200EMAが177円台にある以上、長期の上昇優位は揺るがぬ。しかし短期での過熱は無視できぬ。ゆえに戦略は“187円突破までは買いの一手”。だが、もし186円を割り込めば、買い方の投げが連鎖し185.40まで下落余地が開ける。突破か調整か、どちらに転んでもよいように分割エントリーと分割利確を徹底すべし。機を待て。」
辻政信(作戦の神様):
「フハハ!小賢しい策は要らん!今は戦機到来ぞ。現値186.0を起点に、まずは187円突破の大勝負だ!抜ければ188円台まで一直線に駆け上がる。逆に185.7を割れば即座に切り返し、全力で185円台中盤を買い叩け!一撃必殺、豪胆なる勝負こそ市場を制す!乱高下を恐れるな、むしろ波を利用して利を奪い取れ!」
■総括(朝8:00時点)
・想定レンジは 185.40 – 187.20 円。
・東京時間は株高を背景に買い優勢、欧州は調整交えつつ上昇、NYはFRB発言で乱高下必至。
・200EMAは日足・4H・1Hすべて上回り、判定は「三位一致の上昇」=ロング専念。
・策は「押し目買い徹底」、185.70・185.15を防衛線とし、上抜けは187円トライを狙う。
・リスク要因はFRB高官の利下げ発言。波乱あれば一時的に185円台半ばまで急落もあり得る。
■予測概要
9月22日 10:28時点の価格 186.03円
上方向へ行く確率 65%
解説:
テクニカルは三位一致の上昇でロング優勢。株高・ドルインデックス堅調が追い風だが、イベントリスクで下振れ余地も残る。基本戦略は押し目買い、ただしNY時間はポジション軽めで挑むのが賢明だ。市場がFRBのハト派発言に過剰反応した場合は急落する可能性があるが、その場合も中期的には買い場を提供する形となる。結論として、上昇継続シナリオを主軸に、短期急落リスクを織り込みながら柔軟に立ち回るべき一日である。