目次
■序文
諸葛亮孔明曰く――。
前日の米国市場は再び調整色を強め、NYダウは45,295.81ドル(前日比-249.07)と下落、S&P500やナスダックも軟調推移となった。金利上昇や貿易摩擦への警戒感が相場心理を冷やし、リスク回避姿勢が広がった。一方で米国10年債利回りは4.275%と依然として高水準を維持しており、金利高止まりと株安が同時進行する不安定な地合いが続いている。ドルインデックスは98.43と底堅く、全体として「株安・ドル高・円安」という構図が鮮明化した。
東京市場では日経平均が42,171円(前日比-138円)と反落して寄り付き、CME日経先物は42,235円で推移。米株安を受けた売りが優勢だが、為替市場ではドル円が148.74円と堅調で、株と為替の乖離が拡大している。本日は豪GDPや中国PMI、欧州ではECBラガルド総裁の発言、米国ではJOLTS求人件数と製造業受注が控える。特にJOLTS求人(予想737.8万件)は雇用市場の需給を測る重要指標で、結果次第で米金融政策の見方を左右する可能性が高い。
総じて、本日の相場は「株価の下押し圧力」と「米金利高水準」に挟まれる形で展開されるだろう。ドル円は心理的節目の149円を試す力を残す一方、JOLTS求人が弱ければ急速な利回り低下からドル売りに傾くリスクもある。したがって、149円突破の可否と147円台半ばのサポートを同時に意識する一日となろう。
■テクニカル分析
プロジェクトファイル「USDJPY5.csv」より算出した200EMAは以下の通り。
- 日足200EMA:147.857円
- 4時間足200EMA:147.355円
- 1時間足200EMA:147.540円
現値148.74円は三線すべてを上回っており、大局は明確に上昇トレンド。直近1週間のレンジは高値148.90円、安値146.90円。前々日の日足は下ヒゲを伴う陽線で底堅さを示し、前日は大陽線で上昇継続を確認。本日も強いモメンタムが維持されており、上値は149円台乗せが焦点。
テクニカル的には147.85(日足200EMA)が最重要サポート。ここを背に買い目線を維持すべきであり、割り込んだ場合は一転して下落リスクが増す。短期的ターゲットは上値149.20円、下値147.80円。特に148.30〜148.40円の押し目は買い場として意識されやすく、逆に149円台に乗せた場合は利確売りも強まるため乱高下に備える必要がある。
解説:
直近の相場は押し目を作りながらも着実に高値を切り上げる上昇トレンドにある。日足・4時間・1時間すべての200EMAを上抜けた「三位一致」の形は、トレンドフォロー勢が積極的に買いを入れる条件を満たしている。したがって本日の戦略は基本的に押し目買い優先。ただし、NY時間に発表されるJOLTS求人が弱い結果となれば、金利低下を通じて147円台後半まで急速に戻すシナリオも排除できない。相場は「149円突破か、147.85割れか」の二択を迫られる局面であり、いずれにせよ節目の攻防が今日最大の焦点となる。
■主要経済指標と注目材料
- 10:30 豪GDP 第2四半期(予想+0.5%)
- 10:45 中国非製造業PMI(予想52.5)
- 16:30 ECBラガルド総裁発言
- 17:00 RBAブロック総裁発言
- 22:00 米セントルイス連銀総裁ムサレム氏発言
- 23:00 米JOLTS求人(予想737.8万件)
- 23:00 米製造業受注(予想-1.4%)
- 翌3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
外部要因として、米国株の調整、中国経済の減速懸念、原油価格の動向、そして米金利とドルインデックスの推移が相場に影響を与える。今週はADP雇用統計、ISM非製造業、そして週末の米雇用統計が続くため、市場は神経質な値動きとなりやすい。
■時間帯別シナリオ
東京時間(6:00 – 15:00)
東京市場序盤は、米株安の流れを引き継ぎ株式は軟調、為替はドル円が148円後半で推移し始めた。仲値にかけては実需のドル買いも加わりやすく、148.80近辺を試す場面が予想される。もっとも、前日の急伸から達成感もあり、149円手前では利食い売りが厚くなる可能性が高い。テクニカル的には148.30–148.40に押し目支持があり、ここを維持すれば午前中は堅調な展開となろう。豪GDPや中国PMIの結果が弱ければクロス円売りを通じてドル円にも売り圧力が及ぶため、10時台は注意を要する。基本シナリオは148.30–149.00のレンジでの攻防。
欧州時間(15:00 – 21:00)
欧州市場入りからは要人発言や指標が集中する。まず16:30のラガルドECB総裁発言、17:00のRBA総裁発言がクロス円経由で相場に波及しうる。欧州株が弱含む展開となれば円買い圧力が強まるが、米金利が高止まりしている限りドル円の下落余地は限定的だろう。テクニカル的には148.50を維持できるかが分岐点。下抜ければ147.85(日足200EMA)を試すリスクがある一方、支えられれば欧州時間中に149.20を突破する可能性がある。シナリオは「148.50を割れるか守るか」で二分され、守れれば上昇再開、割れれば148円割れを警戒すべき。
NY時間(21:00 – 30:00)
最大の注目は23:00発表のJOLTS求人と製造業受注。予想を大きく上回れば労働市場の逼迫感が意識され、米金利が再び上昇、ドル買いが強まる公算が大きい。この場合、ドル円は149.50をも視野に入れる強気展開となろう。一方、予想を下回れば利回り低下からドル売りが優勢となり、148円割れ、場合によっては147.85を明確に割り込むシナリオも想定される。米株の動向も重要で、株安が続けばリスクオフ円買いがドル円の上値を抑える。したがってNY時間は「JOLTS次第」で上にも下にも振れる可能性が高く、ポジションは発表前に軽くし、結果に応じた順張りが肝要である。
■本日の値動き予測レンジとまとめ
- 想定レンジ:147.80円 ~ 149.50円
- 現在値:148.74円(09:56時点)
- 08:00 148.65円
- 12:00 148.90円
- 16:00 148.60円
- 20:00 149.10円
- 24:00 148.40円
- 30:00 148.70円
まとめ
本日のドル円は「149円突破か、147.85割れか」の岐路に立つ。東京時間は148円台後半での攻防、欧州は148.50の攻防が焦点、NYではJOLTS求人の結果に市場が大きく振らされる。上値は149.20–149.50を試す展開、下値は147.85が最終防衛線。基本戦略は押し目買い継続だが、指標結果次第で流れは急変し得るため、柔軟な撤退ラインを備えることが必須である。
■軍師たちの一言
各軍師の意見:
諸葛亮孔明:
「三位一致の上昇にて大局は上。日足200EMA147.857を背に押し目買い専念とすべし。東京の小押しは拾い、欧州で148.50を守れば149.20突破を狙える。NYではJOLTS次第で上下振幅が拡大するも、基本は上目線。汝、利を伸ばすには149円台突破の瞬間を捉えよ。」
司馬懿仲達:
「待て、あわてるな――これは孔明の罠だ。JOLTSが弱ければ利回り急低下、ドル円は147.85を割り込み急落する。強気一辺倒は危険、逃げ道を備えよ。NY時間の指標発表までは玉を軽く保ち、上下どちらにも即応できる態勢を整えるべきだ。」
龐統士元:
「株式市場は失速基調。欧州株・米株の続落はリスクオフ円買いを誘う。日足EMAを守る限りは買いだが、守れぬなら一気に146円台を試す流れに変わる。月初・週半ばで需給も偏りやすく、148円割れの一撃を想定すべきだ。」
郭嘉奉孝:
「勝機はEMAにあり。147.857を下抜けぬ限りは売りを急ぐべからず。突破の瞬間まで焦らず待て。149.20を越えれば短期筋が踏み上げられ、149.50へ一気に伸びる。逆にEMA割れを確認した瞬間は迷わず売り転換せよ。」
辻政信(作戦の神様):
「フハハ!策など不要!147.85を背に全力買いだ!利は149.50で一気に刈り取る。だが割れたら即座に売りへ反転、146.00、さらには145円台まで一気に突き進む。大勝負こそ勝機、細事に囚われるな!」
■総括(朝8:00時点)
- 想定レンジは147.80 – 149.50円。
- 東京時間は148円台後半で膠着、欧州から方向感、NYで決戦。
- EMA200判定は「三位一致の上昇」=ロング専念。
- 策は「押し目買い徹底」、147.85を背に守れば強気継続。
- JOLTSが強ければ149.50突破、弱ければ147.85割れから146円台前半へ調整も。
■予測概要
2025年9月3日 09:56時点の価格 148.74円
上方向へ進む確率 65%
下方向へ進む確率 35%
解説:直近のドル円は三位一致の上昇で明確に強気優勢。短期的には149円突破の可能性が高い。ただし、NY時間のJOLTS求人が弱い結果となれば147.85(日足200EMA)を割り込み下落リスクが顕在化する。したがって戦略は「147.85を背に押し目買い」、ただし割れれば即座に売りへ切り替える柔軟さが必要。本日の勝敗を決める分水嶺は「149円突破」か「147.85割れ」かである。